骨董・古美術を楽しむ
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  6. 人名小辞典
  7. 参考文献

やきもの以外の骨董・古美術

(1)塗物
塗物の木地には挽物・板物・曲物などがあり、和紙を漆や糊で貼り重ねた素地の一閑張もあります。
下地塗には漆下地・膠下地・渋下地があり、漆下地は本堅地という素地に麻布を漆張りして生漆を塗布したもの、膠下地は膠溶液に砥粉など混ぜて塗布したもの、渋下地は渋に油煙などを混合したもの塗って更に渋を塗ったものです。
上塗は、油分を混入しない漆を塗ってから研磨する真塗と、塗立と呼ばれて漆に少量の油を混入して塗放しにする溜塗・春慶塗などがあります。
漆は時を経ても飴色に変化するのみで、漆色は鉄・水銀・砒素などを含む鉱物顔料を化学反応させて作り出します。漆黒の?色漆は酸化第一鉄を化学反応させて作る透明感のある黒で、朱は水銀系で黄は砒素系です。
漆は塗料であると同時に接着剤でもあって、陶磁器を漆で継いで金加飾する金継に使われ、古色ある趣を醸します。
《真塗》
  器物全体を?色漆で上塗りしたものです。?色漆で上塗した後木炭を使って必ず水研ぎし、表面を種子油と砥粉をつけた木綿で磨き、更に生漆を木綿につけて全面を薄く塗って乾かす工程を3〜4回繰り返して艶出しします。
《溜塗》
  下地にベンガラ(酸化第二鉄)漆を塗って、上から透漆を塗放しにしたもので、褐色半透明の落ち着いた美しさがあります。
《春慶塗》
  木地を黄や赤に着色して透漆(春慶漆)を上から重ね塗りした明るい雰囲気の塗物で、木目の美しさが見処となっています。 
《根来塗》
本来は紀州根来寺の僧侶自家製の什器です。黒漆の上に朱漆を塗り重ねて作り日用に供されたため、表面の朱漆が擦れて中塗の黒漆がのぞいたものです。鑑賞ポイントは、素朴で力強い造形と漆がかすれた枯淡の味わいです。
《蒔絵》
漆で文様を描き、乾かないうちに金・銀・錫粉などを蒔きつける日本独特の技法です。上塗り後の仕上げ面に施す平蒔絵とあらかじめ文様部分を漆等で高く盛り上げた後中塗りを経て蒔絵する高蒔絵とがあり、研ぎで輝きをだします。
《平文沈金》
 ? 平文とは、金・銀・錫などの薄い板金を文様に切り抜いて漆面に貼り、その上から漆を塗り固めて研ぎだす技法です。
沈金とは漆を塗って仕上がった面に細い溝を彫ってその中に漆を擦り込み、乾かないうちに金箔や金泥を押し込む加飾技法です。
《螺鈿》
貝殻の真珠層の部分を使って加飾する技法で、鎌倉期までは砥石で1o程度にした厚貝でしたが、後にはより繊細な表現を可能にする0.15o以下に削り込んだ薄貝になりました。
螺鈿の技法は、別名青貝とも言いますが、青貝という貝は無く、夜光貝・アコヤ貝・鮑・サザエなどが使用されます。
(2)金物
金物技術は、仏像や密教法具の制作を契機に飛躍的に発展したもので、五金と言われた金・銀・銅・錫・鉄を材料に、硬度や色彩に変化をもたせた合金としました。赤金、青金、赤銅、朧銀、真鍮や古銅・唐銅などもあります。

名 称

説  明

赤 金

金に銅17〜25%を加えたものでやや赤味を帯びる

青 金

金に銀を加えたものでやや青味を帯びる

赤 銅

銅に6〜7%の金とわずかな白目を加えたもので艶やかな黒色

朧 銀

銅3銀1の割合でやや暗灰色

真 鍮

銅と亜鉛

唐 銅

銅と錫の合金であり、別名を青銅と言う。工房によって配合率は異なる

古 銅

胡銅とも書き、銅を主体として不純物を多く含む錫・鉛の合金

金物の造形方法は鋳造と鍛造に大別できます。鍛造とは、熱した金属を槌で叩き内部の空隙をつぶし、結晶の微細化と結晶方向を整えて強度を高めると同時に成形する方法であり、鋳造は溶解した金属を型に流し込む方法です。
《古銅》
  胡銅とも書き、不純物を多く含んだ山銅と言われる銅を主体とした錫・鉛の合金をいいますが、成分に関する厳密な定義はありません。茶褐色で時代を経ると黒色を呈します。古銅とは、花入に特有の呼称のようです。
《唐銅》
  中国から渡来した古色を帯びた銅合金を意味しましたが、多分に雰囲気的で茶道具に特有の呼称です。銅と錫の合金であり、別名を青銅と言い、配合率は工房によって一定ではありません。
《砂張》
  銅を主体に錫と鉛を加えた合金で、錫の含有量が多いほど表面にガラス張りのような透明感があり、少量の銀が加えられることもあります。佐波理とも書き、叩くと良い音がするので響銅とも言われます。
南蛮手のものは黄みを帯びた白銅色でキメ細かく、鍛造による虎肌と称する斑紋があります。朝鮮系のものは黒ずんだ銹色で鱗状の斑紋です。
《南鐐》
  99%超の高純度の銀ですが、100%純銀ではないとされています。幕末までの日本は、銀本位制とも言える状況で、高純度の銀でも南鐐と呼んでいました。
(3)掛物と表具
表具は、真・行・草の順に??・幢?・輪?があります。上下や中廻の柱部への回り込みの有無で区分し、一文字の有無と状態によって更に細分します。一文字、中廻、天地の順に上等な裂を用い、裂の一坪とは一寸四方です。
表具は本紙に勝ちすぎずそれを引き立てることが第一であり、書画の製作年代を超えずしかも時代の釣り合った裂が相応しいとされています。
《??》
仏画や曼荼羅などに用いられ、最も格の高い真の表装です。天地を総縁として中廻しとともに柱部まで回り込ませており、一文字が柱部に回り込むのが真の真、一文字が上下に分かれるものが真の行、一文字無しが真の草です。
《幢?》
天地(上下)は上下に別れ、中廻しのみ柱部にまで回り込むもので、一文字が柱部に回り込むのを行の真、一文字が上下に分かれるものを行の行、一文字がないものを行の草に細分します。
《輪?》
幢?の中廻しの柱を極端に細めたもので、茶掛表具とも言われる草の表装です。一文字が上下に分かれる草の行、一文字がない草の草の表装が主体です。
《袋表具》
上下総縁と太一文字で構成され、南画・文人画などの表装に見られるもので文人表具とも言います。

 

 

 

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