骨董・古美術を楽しむ
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  1. 箱と銘
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真贋

伊万里磁器は景徳鎮磁器を手本に発展しており、「大明宣徳年製」「大明嘉靖年製」のように景徳鎮製のごとく高台内に追銘したものが作られています。絵画では尾形光琳(1658〜1716)が俵屋宗達(生年不詳〜1643?)の風神雷神図に倣って同じ図様を描き、光琳の信奉者酒井抱一(1761〜1828)は、光琳作の風神雷神図に倣って同じ図様を描きました。また、古筆には「伝○○」と言われ○○の真筆ではないことが当然のように受け入れられているものも珍しくありません。
上記のごとき伊万里は景徳鎮の贋作とは言わず、光琳や抱一の風神雷神図を宗達・光琳作品の贋作とは言いません。
伊万里の「追銘」は、作品への憧れから手本になぞらえて銘までも写し、それにあやかりたかったのであり、偽物づくりを目的としたのではないようです。光琳は宗達への、抱一は光琳への敬慕から風神雷神図を描いたことでしょう。
贋作とは如何なるものか、どうして蔑まれ排斥されねばならないのか? 贋作でも作自体はそこそこ秀作で、ニセ落款が返って価値を下げている例もしばしばです。ニセ物を本物と偽り人を欺こうとする行為は卑しく、それによりあらぬ利益を得ようとしているからこそ、贋作を排斥せねばならないのです。
贋作は古美術に付き物であり、贋作が作られることは多くの人が手に入れたいと望む優品である証です。いかに優秀な古美術商でも、ときにはモノを見誤ると言われており、誤りにどれだけ早く気付き適切に対処できるかで力量が決まると言えます。蒐集家が自分の買った物を贋作ではないかと疑問を抱いたとき、キチンと鑑定し直し、場合によっては買い戻してくれる店が良い店であり、そんなお付き合いを可能とするマナーの良い客でありたいものです。


 

 

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